クレーム管理 [ 変革のためのビジョン ]
クレームは避けることはできない
クレーム内容は多岐に渡ります。クレームは小さなうちに解決することがベストなのに、小さなクレームだったものが大きなクレームになってしまう要因はいくらでもあります。たとえば次のようなものが挙げられます。
- 会社としてクレームではないと思っていても、それがクレームになるかどうかは会社が決めることではなく、一次的には顧客が決めることになります
- クレーム対応は、なるべく関わりたくない心理が働き、誰かが対応してくれていると考える無責任な体制になりやすい
- お客様はすでに不満状態にあるため、顧客対応に特別なスキルが必要になる
- 万が一自分の対応が原因でクレームになっている場合は、自分のミスは出来るだけ隠したいという心理が働いてしまう
- クレームを最初に受付ける人と、クレームを対応する人が違うことで、顧客を待たせたり、連絡事項の欠落などからのミスが起こりやすい
組織としてクレームに対応できる仕組みを作る
クレーム対応は、たらい回しされることでさらにお客様の不満はますます大きくなり、逆に迅速に答えることで、顧客からの信頼を獲得することができます。
「受付だけしか済んでいないクレーム」「受付も済み対応することが決まっているが未だ実施されていないクレーム」など、クレーム対応の進捗状況が見えるようにすることで、お客様から連絡があっても、誰でも対応できるようにします。
また、クレームの内容とクレームの対応履歴を蓄積して誰でも検索したり、見られるようにすることで、同じようなクレームがあった場合には、過去の対応履歴を参照して、誰もが一次対応することができるようにします。
このように、個人ではなく組織としてクレームに対応できる仕組みを作ることが、クレーム対応力が高い組織作りにつながります。
クレームは企業成長の糧に
クレームは企業の欠点を指摘してくれる行為であり、それを欠点のままにするか、欠点を直すかで将来の企業力は大きく違ってきます。また、複数のクレームが集まれば、そこには矛盾する関係も出てきますが(Aというクレームを解消する施策を打てば、逆にBというクレームがさらに悪化することが想定されるなど)、いずれにしろ、すべてのクレームを整理して体系的に捉えることで、企業として対応すべきプライオリティが見えてきます。まずは、どんなクレームが、なぜ起こったのか、今までブラックボックスになりがちだったクレーム情報を社内で蓄積し、見えるようにすることが最初の一歩になります。